「残念ながら敵が受けた傷はこれだけだと思う。(中略)… かれにとって恐ろしい打撃となったのは、むしろエルベレスの御名だった。」

指輪物語1 旅の仲間(上)

(J.R.R.トールキン著/瀬田 貞二訳、評論社)

原作では

Elbereth(エルベレス)とは、ヴァラール(至上神によって創造された、いわば神々というべき存在)の一人で、特にエルフから崇拝される「星の女王」ヴァルダの呼び名のひとつ。
エルフ語*1で「星の妃」という意味で、特にエルフたちの間では親しみと畏敬の念を込めて「ア・エルベレス・ギルソニエル」(星々の后、光の女王よ!)という風に呼ばれることが多い。
暗黒に住まう邪悪の者たちにとっては「暗黒の夜に光をもたらした」忌むべき存在、恐怖と破滅の象徴であり、原作ではその(エルフ語の)名前だけでもかれらを怖気づかせる祓魔の力を持っていた。

NetHackでは

この由緒ある言葉(E wordと呼ばれる)を床に刻めばアラ不思議、魔物が退散する。
つまり、これを目撃した敵がまったく寄り付かなくなる。

大文字でも小文字でも可。刻んである言葉の中にこの言葉が含まれていればOK。 ElberethElberethElberethとか床に書いておけば、動かない限りは そう簡単には消えなくなる。 長い文章を書くのには時間がかかるので、一回ごとに分けて書いたほうがよいのだが。

  • 硬度の低い物質や指で床のほこりに書くと、数ターンで消えてしまう。
  • 硬い宝石や武具、ペンなどで床に刻めば、それなりに長い間消えないですむ。さらに、浮遊しておけば、その上で戦ってもまず消えない。
  • ある種ので床に文字を焼き付ければ、何か特別な力が働かない限りは消えなくなる。当然魔力を消費する。
  • なにゆえか、に刻みつけても意味がない。同様に、に刻みつけて落し穴を塞いでもこの効力は発揮しない。

刃先のある武器等で刻むこともできるが、 普通は刃こぼれしてしまい、最後まで書ききることができない。 武器自体の強化値も限界まで下がってしまい、使い物にならなくなってしまうだろう。 しかし、アサメなら刃を鈍らせることなくいくらでも書くことが出来るし、 指などで書いたときと同様、1ターンで書き終える。

この御名による魔力は、あくまで自身を守る類の性質ではなく、それを認識した相手に働きかける作用である。
このため視覚を持つ敵がカメラの閃光などで盲目状態になった場合、 その敵はこの神聖な文章に怯えることがなくなってしまうので 、観光客は気をつけよう。ただし、ゼリー系などといった 「もともと視覚を持たない者」にはちゃんと通用するようだ。

全てのモンスターに通用するわけではなく、シンボルが'@'のモンスター や天使ミノタウロスなどには全く効果がない。 これらの敵に対抗する手段がないといずれ手詰まりになってしまうだろう。

さらに詳しく知りたい方はKate Nepveu氏によるのスポイラー(英語)を参考にするとよい。

よもやま話

この言葉は俗に「Eの字(E word)」と呼ばれる事もある。
ゲーム内ではなく、NetHackerのnetnewsや掲示板などでネタバレを気にしつつElberethについて話題にするときに用いられた。
現在はこの手の配慮はほとんど行われていない。

ヴァリアントにおける話

あまりにも強力すぎるため、SporkhackFHS PatchなどElberethの効果が減殺されているものもある。「Eの字に頼れない」というだけで結構なゲームバランスの変化を体験できる。

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