Nazgul (Nazgûl) 'W'
九つは、死すべき運命の人の子に、
指輪物語「旅の仲間」
J.R.R.トールキン/瀬田 貞二・田中 明子 訳、評論社
指輪物語より。黒の乗り手。
nazg(=指輪) gûl(=幽鬼)というこの名前はモルドールの言葉でそのまま「指輪の幽鬼(ringwraith)」という意味である。
かつては人間の王族だった者たちがサウロンの「力の指輪」の呪いで幽鬼となったものであり、魔王サウロンの第一の下僕であった。
物語の中では、その姿と声だけでも恐怖を撒き散らし、これを倒そうとしても体に触れる武器はことごとく崩れ去り、 そしてその黒い息を受けたものは邪悪な黒い眠りにつきやがて衰弱して死んでしまうという、(意外とあっさり撃退されることも多かったが)善の勢力をさんざん苦しめる恐るべき相手として描かれていた。
こんな感じでNetHack以外のRogue系ヴァリアントではかなりの強敵として、特にToMEなどでは見るのもイヤな相手として登場することも多い。
だが、NetHackにおいてはコレといって強いところもない単なる上級の"W"に過ぎない。
このゲームでも元の設定になかなか忠実というべきか、最高9体までしか出現しないし、必ず呪われた 透明の指輪を持っている。
しかし"黒の息"は単なる眠りのブレスでしかないため、これによって致命的な被害を被る冒険者はほとんど居ないだろう。
吸魔の怪物のように武器を劣化させる能力を持っているわけでもないし、
その他はせいぜい普通のレイスと同じようなレベルドレイン能力がある程度だ。
打たれ強いといえば確かにそうだが、残念ながらそれ以上のものではない。
NetHack brassにおいては、ヒットするとその武器を劣化させる力を持った強敵となっている。また原作同様、馬や翼の生えた怪物に乗って登場する。
Sporkhackにおいては、眩暈をもたらす叫び声(AT_SCRE)を頻発させるため非常にうざったい。
FHS Patchでは、騎乗状態の上叫び声を上げるものだからもう……