トップ > モンスター > & 悪魔族 > その他 > 風のジン
djinni '&'
年老いた漁師が、海の底から真鍮の壺を引き揚げた。
鉛の封を解き、蓋を開くと、一柱の雲突く魔神が現れた。
魔神は己が身の上を語る。「至高者の名の下に封印され、水底で解放を待つ我は、最初の百年にこう思った。
『我を解き放つ者を、永久の富者としてくれよう』
次の百年にはこう思った。
『我を解き放つ者に、地の宝物すべてを与えよう』
さらに次の百年にはこう思った。
『我を解き放つ者の、あらゆる願いをかなえよう』
だが救い手は現れず、終いに我はこう思った――
『我を解き放つ者を、たちどころに殺してくれよう!!』」ブライトライツ・ホーリーランド
著/古橋秀之、メディアワークス
ディズニーの映画で有名な*1アラジンの魔法のランプの精。
シンボルは'&'だが、悪魔ではなく精霊である。しかし、イスラム教においてはジンの親玉がシャイターン(悪魔)であると言われることもあり、悪魔と精霊の中間的存在であると考えられることから、悪魔という分類もあながち間違っていないと言えるだろう。時には魔人という呼称を用いられることもある。
それゆえ、アラジンのランプから出てくる精霊だけでなく、日本や西洋で言う妖怪や精霊のようなものは概ね「ジン」に分類されている。たとえばファンタジーRPGにはおなじみのイフリートやグールなんかも、実はこのジンの一種である。
そもそも、このジン(ジンニー)"جني"は、強い力を持った人型の精霊としてイメージされることが多いが、様々な姿に変身することが可能で、必ずしも人型で現れるとは限らない。むしろイスラーム圏では「黒い犬は悪魔である」と昔のエラい人が公言してしまったので、悪いことをするジンは黒い犬や蛇などの姿をすると考えられている。
(かれ*2は)陶土のような乾いた土から人間を創られ、また火の炎からジン(幽精)を創られた《慈悲あまねく御方章 14-15》
日亜対訳 注解 聖クルアーン
宗教法人 日本ムスリム協会発行
というコーランの記述にあるように、イスラーム圏ではジンは火から創られたものであるとされる。様々なファンタジーでジンは風属性のモンスターとして登場しているが、そこには別に根拠がない。しかし、土から創られた人間が現在土ではないように、火から創られたジンもまた、火の塊のような存在だというわけではない。
自然生産はされず*3、主に魔法のランプや煙がでている薬から現れ、願いを叶えたり、ペットになったり、友好的になったり、消えてしまったり、 はたまた戦ったりもする、何がしたいのかよくわからないモンスターである。 おそらく、自分で自分をランプや薬に封印したか、他人に封印されたかの違いだろうが、 なぜ魔法のランプや煙がでている薬の祝福が関係しているのだろうか…。*4
能力的にはそんなに強くなく、魔法が使えるわけでもない。 敵になってもこちらがよっぽど弱くない限り負けることはないし、ペットになってもそんなに役に立たない。 やはり、願いを叶えてくれなかった場合ははずれである。
例外的に風のレベルで敵対的な風のジンが生産される。 煙がでている薬から風のジンが現れる確率は、(煙が出ている薬以外からも含めて) 風のジンが登場した数が増えれば増えるほど低下してしまうので、 この階に行く前に煙がでている薬を消費しておいた方が良いだろう。