Gauntlet

1985 年 Atari Games が発表したアーケードゲームである。
ゲーム内容はひたすら湧き出る敵の群れを薙ぎ倒しながら迷宮の出口を目指すというもの。
大型の専用筐体に 4 組のコイン投入口,レバー,ボタン(x2)を備え同時に最大 4 人が取りついて遊ぶことができた。
どの位置のコイン投入口を使用するかで職業が決まるようになっていた。ガントレットでの職業は Warrior, Valkyrie, Wizard, Elf であった。
ヒットポイントに相当する値が HEALTH である。これは時間の経過によりゆっくりと減少していく値で戦闘で被害を受けると大きく減り,迷宮内で手に入る FOOD, DRINK で増える。コインの追加投入でも増やすことができた。
日本国内でも販売されかなりの台数が設置された。しかしゲーム中の表示・音声はいっさい日本語化されていない(遊ぶのに支障はなかった)。

さて,Roguelike歴史の中で NetHack が誕生したのが 1987 年なので NetHack もガントレットの影響を受けている。
たとえばガントレットでは HEALTH が減少して危機に瀕すると "Wizard needs foods, badly!" あるいは "Wizard, your life force is running out." などの音声で警告がなされた。
NetHack でも食糧事情が悪くなる"Wizard needs foods, badly!" と表示されヒットポイントが減少すると "Wizard, your life force is running out." と表示される。
このような表示はガントレットと NetHack で職業(種族)の重なるワルキューレ魔法使いエルフについてのみ行われる。無関係な観光客などでは表示されることはない。
そのほか占いクッキーでもガントレットと関係があると思われるおみくじを引き当てることがある("Elf has extra speed.")。こちらには職業や種族の制限はない。

日本語化されなかったガントレットに対して JNetHack は全面的に日本語化されているのでガントレット由来のメッセージに気が付きにくくなってしまっている。少々残念ではあるが,致し方ない。例に挙げた 2 つのメッセージは JNetHack では「魔法使いには至急食料が必要だ!」と「魔法使い,あなたの生命力は尽きようとしている...」となる。

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